岩山小児科 名古屋市天白区福池2−24
小児科 内科 アレルギー科
伝染性単核症は聞き慣れない名前の病気ですが、幼児から成人まで熱が続いてリンパ節が腫れた時には考えるべき病気の一つです.
伝染性単核症とはEBウイルスの感染により発症する病気です.EBウイルス感染症ともいいます
EBウイルスに罹患するとリンパ球が増殖を始め、リンパ節が腫れてきます.EBウイルスは健康人の咽頭から10− 20%に検出され,初感染は幼児に多く、経口感染します.別名をkissing diseaseといいます.
<症状>
潜伏期は2−8週あります.3−7日の倦怠感の後に発熱(1週間以上続くこともあります),咽頭痛,頚部リンパ節の腫脹,特徴的に眼瞼の浮腫が出ます.扁桃炎が強く、扁桃に白い膜がつくこともあります.倦怠感、食欲低下があり.10−20%に肝臓や脾臓が腫れます.時に脳炎,髄膜炎,黄疸,全身リンパ節腫脹、溶血性貧血が来ます.
<検査>
初期には白血球が1−2万/ml、異型リンパが10%以上に増加します.これらは数ヶ月つづくこともあります.
肝機能の上昇や、EBウイルス抗体価が上昇します.
<治療>
特効的な抗ウイルス剤はないので、安静をまもり,うがいを励行します.対症療法として、頚部リンパ節腫脹には鎮痛、解熱剤を投与したり、浮腫による気道閉塞、溶血性貧血にはステロイドホルモンを処方することもあります.
<経過>
多くは2−3週で症状が改善し、回復します.